2019年3月に『世界で通用する最強の子育て』という書籍を出版致しました。

その一部をご紹介いたします。

(世界で通用する一流が持つ3つの力、「意志をもつ力」「考える力」「社会とつながる力」については第1章、第2章、第3章のダイジェストでもお話ししているのでぜひご覧ください。)

子育ての基礎となるパートナーシップとは

子どもは、一番身近な大人である父親と母親の関係性を見て「他者への接し方」を学んでいきます。

いくら「こうしなさい」と伝えても、実際に親が自分のパートナーに対してそれを実践できていなければ、その言葉を素直に受け入れられなくなっていくでしょう。

私がパートナーとの関係性について話そうと思った理由は、「海外の親の意識を知ってもらうことで、日本で子育てする父親や母親に楽になってほしい」と思ったからです。

私は海外に住んでいますが、帰国するたびに日本での子育てのしづらさに驚かされます。

なぜなら日本では子育てをすることが「我慢することである」という風潮を強く感じるからです。

一方海外で親の様子を見ていると、日本よりも楽しそうに子育てをしている人が多いと感じるのです。

海外のパートナーシップを参考にすることで、少しでも子育てをもっと楽に、そして楽しくとらえてもらうことができればと思います。

私自身、子どもの教育については自分自身でも考えて努力してきました。

しかし、妻というパートナーへの配慮が足りていなかったのではないかと、今になって反省することもあります。

だからこそ、自分自身の反省から得た学びを少しでも伝えることで、私のような反省をもつ人を少なくしていけたら、と思っています。

男性の当事者意識について

大前提として日本の男性に伝えておきたいことがあります。

それは日本の男性は、あまりに子育てに関しての当事者意識が低いということです。

私自身の反省でもありますが、日本の男性は無意識のうちに「子育てや家事は母親がメインでやるものだ」という思い込みがあるように思います。

日本人の友達からこんな話を聞きました。

休日に子連れで出かける時は着替えや弁当の用意、行先を決めるのも全部母親。

父親は「一緒に出掛けて遊ぶ」という行動をしただけで「立派に育児参加をした気持ちになっている」のだとその友人は話していました。

「自分が大変でない限りで」「母親に言われたことをやる」という意識で、日本の父親の育児参加は行われているのです。

一方海外では、家事育児の全てにおいて父親が育児の当事者です。

「手伝うよ」という感覚はなく、当たり前に「やらなければいけないこと」としてとらえられているのです。

パートナーを肯定的にとらえる

第1章~第3章でもお伝えしてきた「子どもへの接し方」の一部をパートナーに対しても実践していきましょう。

第1章では「子どもができていることを言葉にして伝える」についてお話ししました。

これはパートナーとの関係性においても同じくらい重要です。

海外に行くと日常的にパートナーに感謝を伝える言葉が飛び交っており、その光景に驚かされることがあります。

これは相手がやってくれることを「当たり前だ」と認識していないからこそ、できることだと思います。

日本では記念日に「いつも頑張ってくれてありがとう」などと日頃の感謝をまとめて伝えているかもしれません。

やってくれることが「当たり前」ではなく、やってくれた時に一つひとつ感謝できるようなパートナーシップをぜひ、心がけてみてもらえればと思います。

また、感謝だけでなく、相手の素敵なところについても率直に伝えるようにしてみましょう。

海外では、他社にパートナーを紹介するときの様子も日本とは異なっています。

日本では「鬼嫁でね(笑)」「料理が下手なんですよ」と冗談交じりにパートナーを卑下する言葉を使う人をよく見かけます。

海外ではそのような紹介の仕方をする人はいません。

「彼女が妻でいてくれたから僕の人生は最高なんだ」

「彼がこの子の父親でいてくれてよかったです」

これはマレーシア人の夫婦の言葉です。

そうお互いを尊重するパートナーシップを見て、子どもは相手を大切にすることを学んでいくのだと思います。

家事や育児の基準値を下げる

日本では「毎日の食事は手作り」「家の中はきれいにしておかなくちゃ」「洗濯物はたたんで」など、家事や育児への基準値が高く設定されているように感じます。

一方、海外では「子供のお弁当はパンをもたせればOK」「家の掃除は気が付いたときにやればOK」など家事や育児に対するハードルは限りなく下げられています。

海外の子育てを見ていると、日本のお母さんたちがいかに「完璧に」子育てをしようとしているか、そしてそれによって疲弊していることを感じます。

私から見れば日本のお母さんたちは、今も本当に頑張っていると思います。

だからこそ、ぜひ海外の家事育児を参考にして「無理をしない」ということを心がけてみてほしいと思います。

目的を意識する

パートナーと一緒に「どのような子育てをしたいか」という目的をしっかりと話し合っていくことが重要だと私は思います。

そうすることで「他者からのアドバイスに惑わされずに子育てができる」のはメリットの一つです。

日本では他者からのアドバイスや、メディアで紹介される「理想な子育て」と自分を比べてしまい、ギャップに悩んでいる親も多いと聞きます。

一方、海外では「私たちは私たち」という意識がはっきりとしており、必要な情報だけを取捨選択しているように思います。

日本では、子育ての方針についてパートナーと話し合う機会は少なく、「幼稚園を決める時」「小学校に入学する前」など大きなイベントがあるときに、必要に迫られて話し合いをする傾向が強いのではないでしょうか。

さらに話し合いの場面でも、情報収集やそれに伴う決定を女性に押し付けてしまうケースがよくあると聞きます。

妻:幼稚園について決めたいのだけど…

夫:君の方がよくわかっているし、君にまかせるよ。

こんな会話に身に覚えがある方もいらっしゃるのではないでしょうか。

実は私自身も子育てについては妻に任せてしまっていた部分が多く、それが妻の負担になってしまっていたのだと反省することもありました。

ぜひ、「子育ての目的」についてパートナーと考える機会を、日ごろから持つことを意識してみてほしいと思います。

相手を尊重する

同じ日本人であったとしても育った環境も違えば、性格も違う二人が一緒にいるわけです。

その違いが表面化することも多いと思います。

「掃除をしたほうがいいと思う頻度」が違う、「家族で一緒に食卓を囲むことを重要だと思っているかどうか」が違う、など、家事や子育てにおける考え方の違いは数えきれないほどあるでしょう。

どうしても意見の相違が出てきてしまうことで、「なぜ相手はわかってくれないのだろう」と相手に対してイライラしてしまうこともあると思います。

しかし、オランダのパートナーシップを見てみると、「常識や当たり前は人それぞれ違うから、自分の価値観を人に押し付けてはいけない」という意識が根強いため、意見の違いがあることもまた「当たり前」だととらえているように感じます。

少し落ち着いてみて「なぜ相手はそう思うのだろうか」「どうしたら意見をすり合わせることができるのだろうか」ということをぜひ考えてみてください。

子どもと同じくらいパートナーにも興味をもつ

実を言うと私は以前まで妻が今、何に興味があるのか、どんなことをしたいと思っているのかを全く分かっていませんでした。

子育てをしている彼女を「母親」として見て、子育てのこと以外には目を向けていないのだろうと無意識のうちに思ってしまっていました。

海外では、親が自分の興味があることに時間を使うことがとても尊重されています。

ですからベビーシッターや家事代行を頼むことは当たり前のように行われているのです。

ぜひパートナーが今何に興味を持っていて取り組んでいるのかについて、聞いてみてほしいと思います。

意見をはっきりと伝える

日本の母親の場合は、「疲れていても頑張らなくちゃ」「これくらいできないなんてだめな母親だな」と思ってしまいがちです。

でも、日本の女性はもうすでにものすごく頑張っていらっしゃるのだから、ぜひパートナーに「ちょっと疲れたから、家事をやってほしい」「子どもを見ていてほしい」という意見を率直に伝えてみてほしいと思います。

そもそもオランダでは男性が主体的に子育てに関わろうとしますから、女性だけに負担が行ってしまうことはほとんどないように見えるのですが。

それでも海外の女性は負担を感じた時には、罪悪感なく率直に助けを求め、素直に意見を伝えます。

お互いに不満を持つ前に「私はこうしてほしい」と相手にしっかりと伝えていくことが、建設的なパートナーシップを築く土台になっていくのではないでしょうか。

「親はこうあるべき」にとらわれないで自由な子育てを

子どもにとっていちばんよいのは、親が子育てを楽しむことだと、私は思っています。

そのために一番伝えたいのは、「親はこうあるべき」という考え方にとらわれないでほしいということです。

日本の親は「良い父親は、良い母親はこうあるべきだ」という考えを強く持ってしまっており、それに苦しめられているように感じます。

ですが、その「良い父親」「良い母親」はあくまで日本の価値観です。

海外を見回してみると全く違う子育てやパートナーシップの価値観があります。

日本とは異なる価値観を知ってもらうことで、日本の「親はこうあるべき」という考え方にとらわれず、もっと自由に子育てを楽しんでもらえたら、こんなに嬉しいことはありません。

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